
勉強は苦行や嫌なことといったイメージを持つ人が多くいるようですが、塾講師を15年以上続けてきて分かったことは、成績の良い子ほど、勉強のイメージはポジティブなものであるということです。
では、どうしてネガティブなイメージを持つ子がいるのでしょうか。
それはおそらく、結果が出ないからだと思います。
例えばゲームやSNSであれば、自分が何かアクションを起こしたらすぐに結果が出て、その結果が悪いようなら、比較的短時間の練習や裏技などの利用で、簡単に自分の求める結果を得ることができます。
勉強やったって意味がない。社会に出てから役に立たないと言っている生徒が、おそらく何の意味もない、そして何の役にも立たないであろうゲームに多くの時間を割いたりします。
その理由はまさに上記で述べた通り「結果が出やすい」からというのが大きな要因となっています。
何かの大きな目標に向かって勉強すると良いという人がいますが、ゲームの世界だって同じです。勉強であれば、学校での順位(自らの位置付け)が上がったり、志望する学校に合格したりと言ったレベルの結果に留まりますが、ゲームの世界であれば、自分自身が英雄となり、世界を救うことだってできてしまいます。
だから目標主義では勉強はゲームに勝てない可能性があります。
結果が出やすくて、大きな目標も達成できるゲームは、勉強よりも勝るのです。
でも、よくよく考えてみてください。
ゲームで使える技の習得やゲームのルールは始める前から分かるものではなく、学んでから身に付けるものです。そうです。ゲームでも勉強をしているのです。
その対象が理科や数学なのか、あるいはモンスターを倒すための武器や技なのかと言った違いはあれど、やっていることは学校などで行う勉強もゲームも何ら変わりはないのです。
ちなみにこの記事を書いている私(大島)は、ゲームをやるのがとても面倒臭いと感じています。
逆にセンター試験の英語の長文や数学の問題やパズルを見ると、ワクワクしてしまいます。
私は変態なのか。
いや、いたってノーマルだと思います。
向かっている先が違うだけで、成績が伸びない学校の勉強が嫌いなゲーム好きな子供と私は同類と言えると思っています。

私が思う、勉強とは。。。
学びたいという気持ちがあることに対して、自らの意思で新しい知識を手に入れ、その知識を利用することです。
それらすべてが揃えば、どんなことに対しても勉強がはかどり、また結果も付いてくるようになります。
ではどのようにすれば良いのでしょうか?
それは生徒それぞれによってポイントが全く異なります。
一人一人の生徒とじっくりと向き合っていると、彼らは自分の努力を認めて欲しいというサインを出しています。
そのサインはずっと出ているものではないので、見つけたらすぐに対応してあげないといけません。
例えば
「この問題が解けたんよ。すごいじゃろ!」と生徒が言ってきたら、すかさず「すごい!よう解けたね。じゃ、ご褒美に次のもうちょっと難しいこの問題をやってみんさい」と、褒めてからすかさず次のレベルの問題を差し出すといった感じです。
これは簡単そうに思えて実は結構難しいのです。
タイミングや方法を誤ってしまうと、勉強では成果が得れないと判断されてしまいかねません。褒めるだけでも、次の課題を出すだけでもダメなのです。
もちろん塾だけでは対応しきれないことがままありますので、ぜひご家庭でも、お子さんが出すサインを見落とさないように、じっくり観察して見てください。
お子さんの意識が「ゲーム<勉強」と「SNS<勉強」となれば、それから先の人生が大きく変わりますよ。